WordやExcelで作ったPDFを送ったら、相手の画面で文字が「□」や記号に化けていた。レイアウトが崩れて、表がずれていた。こうしたトラブルの原因の多くはフォントにあります。
この記事では、PDFの文字化けが起こる原因から、PDF文字化けを防ぐフォントの選び方・埋め込み方法、すでに化けてしまったときの直し方を手順付きで解説します。
なぜPDFは文字化けするのか
PDFは「どの環境で開いても同じ見た目になる」ことが強みの形式です。ただし、これはフォントのデータがPDFの中に含まれている場合の話です。
フォントが埋め込まれていないPDFは、開いた側のパソコンやスマホにある別のフォントで代用して表示されます。代用できる文字が見つからないと、□や「?」に化けたり、文字幅が変わってレイアウトが崩れたりします。
主な原因は次の3つです。
PDF文字化けを防ぐ方法1:フォントを埋め込んでPDFを書き出す
Word・Excel・PowerPointの場合(Windows)
- 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSドキュメントの作成」を選ぶ
- 「オプション」を開く
- 「ISO 19005-1 準拠(PDF/A)」にチェックを入れる
- 「発行」で保存する
PDF/A形式は長期保存を目的とした規格で、フォントの埋め込みが前提になっています。埋め込みを確実にしたいときに有効です。
Wordの場合(Mac)
「ファイル」→「プリント」または「別名で保存」から、形式を「PDF」にして書き出します。保存画面に品質の選択肢がある場合は、「最適な印刷品質」を選んでください。
PDF文字化けを防ぐ方法2:化けにくいフォントを選ぶ
埋め込みができていれば、基本的にどのフォントでも表示されます。ただ、埋め込みが失敗したときの保険として、多くの環境に標準で入っているフォントを選んでおくと安心です。
| フォント | 特徴 | 安心度の目安 |
| 游ゴシック/游明朝 | Windows・Macの両方に標準搭載 | 高い |
| メイリオ | Windowsに標準搭載。画面で読みやすい | 高い(Windows中心) |
| BIZ UDゴシック/BIZ UD明朝 | Windows 10以降に標準搭載。読みやすさ重視 | 高い(Windows中心) |
| MS ゴシック/MS 明朝 | 古くからある標準フォント | 高い(見た目は古め) |
| Noto Sans JP/Noto Serif JP | 無料で配布されている汎用フォント。埋め込みの制限が少ない | 高い |
| ヒラギノ角ゴ | Mac・iPhoneに標準搭載 | Mac系では高い |
避けたほうがよいフォント
- 一部の環境にしか入っていない、独自の装飾フォント
- 配布元が不明なフリーフォント(ライセンスで埋め込みが制限されている場合があります)
- 外字や特殊なグリフを多用するフォント
PDF文字化けを防ぐ方法3:環境依存文字を見直す
フォントを埋め込んでも、文字そのものが環境に依存していると問題が出ることがあります。
- 丸数字(①②③)やローマ数字(Ⅰ Ⅱ)
- 単位や省略記号(㈱、㎏、㈲など)
- 異体字(髙、﨑、��など)
- 波ダッシュ(〜)と全角チルダ(~)の混在
PDFを送るだけなら埋め込みで解決することもありますが、メール本文へのコピーや他システムへの取り込みで化けることがあります。迷うときは「(1)」「株式会社」のように置き換えるのが無難です。
PDF文字化けを防ぐ方法4:すでに作ったPDFのフォントを確認する
すでに作成したPDFの文字化けを防ぎたい場合は、PDFに使用されているフォントが正しく埋め込まれているか確認しておくことが大切です。
フォントが埋め込まれていないPDFは、閲覧するパソコンに同じフォントがインストールされていない場合、別のフォントに置き換えられることがあります。その結果、文字の見た目やレイアウトが変わったり、一部の文字が正しく表示されなかったりする可能性があります。
こうしたトラブルを防ぐために活用できるのが、無料のオンラインツール「PDFフォント埋め込みチェッカー」です。
特に便利なのは、フォントごとの埋め込み状態だけでなく、使用されているページまで確認できる点です。複数のフォントを使用したPDFでも、どのフォントを確認すべきか把握しやすくなります。
PDFフォント埋め込みチェッカーの使い方
操作は簡単で、確認したいPDFを選択するだけです。次の手順で、すでに作成したPDFのフォント情報を確認できます。
手順1:PDFフォント埋め込みチェッカーにアクセスする
まず、PDFフォント埋め込みチェッカーを開きます。ブラウザ上で利用できるため、専用ソフトをインストールする必要はありません。
手順2:確認したいPDFを選択する
画面に表示されている「ファイルを選択」をクリックし、パソコン内に保存されているPDFを指定します。PDFファイルを画面上にドラッグ&ドロップして読み込ませる方法も利用できます。
手順3:解析結果を確認する
PDFの解析が完了すると、使用されているフォントの一覧が表示されます。
フォント名や形式、サブセットの有無に加えて、埋め込み状態と使用ページも確認できます。
手順4:フォントの埋め込み状態をチェックする
一覧の「埋め込み状態」を確認しましょう。
- 埋め込み済み: フォントデータがPDFに含まれています。
- 埋め込みサブセット: PDF内で使用されている文字に必要なフォントデータが埋め込まれています。
- 未埋め込み: フォントデータがPDFに含まれていないため、閲覧環境によってはフォントが置き換えられる可能性があります。
「未埋め込み」と表示されても、必ず文字化けするわけではありません。ただし、別のパソコンで開く場合や印刷所へ入稿する場合は、元ファイルやPDFの出力設定を確認しておくと安心です。
PDF文字化けを直し方:すでに文字化けているPDFを修正する方法
PDFの文字化けは、原因によって適切な対処法が異なります。閲覧ソフトの更新や元ファイルからの再変換で直る場合もありますが、PDFのフォント変更やテキスト編集が必要な場合は、より多くの編集機能を備えたソフトが便利です。
すでに文字化けているPDFのフォントを変更したい場合は、Adobe Acrobat Proの利用を検討してみましょう。
Adobe Acrobat Proなら、PDFのフォント情報の確認、テキストの直接編集、フォント変更、OCRによる文字認識など、さまざまな作業に対応できます。
特に、PDFを頻繁に扱う方や、元ファイルがないPDFを修正したい方、文字化けの原因を調べながら編集したい方に適しています。

・フォント情報の確認:PDFに使用されているフォントや埋め込み状況を確認する
・テキスト編集:PDF内の文字を直接修正する
・フォント変更:編集可能なテキストのフォントを変更する
・OCR(文字認識): スキャンしたPDFの文字を認識し、編集できる状態にする
・PDFの変換: PDFをWordなどに変換し、元の文書を修正して再作成する
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Acrobat ProでのPDF文字化けの直し方(手順)
パターン1:元のWord・Excel・PowerPointがある場合(最も確実)
- 元のファイルで、フォントを游ゴシックやメイリオ、Noto Sans JPなどの標準的なものに変更する
- 「Acrobat」タブの「PDFを作成」、または「Adobe PDF」プリンターで、フォントを埋め込む設定で書き出す
- 書き出したPDFを開き、「プロパティ」の「フォント」タブで「埋め込みサブセット」などの表示を確認する
パターン2:元データがなく、PDFだけがある場合
- 「プロパティ」の「フォント」タブで、埋め込まれていないフォント名を確認する
- そのフォントが手元のパソコンにインストールされていれば、Acrobat Proのプリフライトでフォントを埋め込む修正を試す
- フォントがない場合は、PDFを画像として書き出し、OCRでテキストを認識し直す
注意点
- すでに別のフォントで代用表示されているPDFは、元の文字形には戻せません。元データからの書き出し直しが最優先です。
- OCRは認識ミスが出ることがあります。数字や固有名詞は、直した後に必ず目で確認してください。
- メニュー名や場所はAcrobatのバージョンで変わります。見つからない場合は、Acrobatのヘルプで機能名を検索してください。
PDF送る前の最終チェックリスト
PDFを作成・共有する前に、以下の項目を確認しておくと、文字化けや表示崩れのリスクを減らせます。
特に、社外に送付する文書や長期保存する資料では、作成後の表示確認まで行うことをおすすめします。
まとめ
PDFの文字化けは、「フォントの埋め込み」「安全なフォント選び」「環境依存文字の見直し」の3点で、ほとんど防げます。大切な書類ほど、書き出したあとに別の環境で開いて確認する習慣をつけておくと安心です。