パスワード付きPDFで困っていませんか？
ビジネスや日常生活で頻繁に使用されるPDFファイル。中には、パスワードが設定されていて閲覧・編集・印刷できないものも多く存在します。「自分で作成したPDFだけど、パスワードを忘れて開けない」「知人から共有されたPDFが編集できない」など、困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、PDFのパスワードを解除する方法を、無料・有料・オンライン・オフラインなど様々な手段でご紹介します。加えて、法的な注意点やおすすめツールの比較も詳しく解説していきます。
PDFパスワードの種類と解除の前提知識
PDFには2種類のパスワードがあります。
PDFファイルに設定されるパスワードには、主に以下の2種類があります。
・オープンパスワード（閲覧パスワード）
→ ファイルを開く際に入力が必要なパスワード。
・パーミッションパスワード（操作制限パスワード）
→ 編集・コピー・印刷を制限するパスワード。
オープンパスワードは閲覧そのものを制限するため、PDF ファイルのパスワード保護を解除が難しいケースもあります。一方、パーミッションパスワードは、閲覧はできるが編集や印刷ができないという制限で、比較的解除しやすい傾向があります。
PDFのパスワード解除は合法か違法か
重要なポイントとして、他人が作成したPDFを無断で解除する行為は「不正アクセス禁止法」や「著作権法」に抵触する可能性があります。以下のようなケースであれば、一般的に解除は問題ないとされています。
解除はあくまで自己責任で行い、違法行為に該当しないことを確認した上で進めましょう。
PDFのパスワードを解除する方法4選
PDF ファイルのパスワードを忘れたり、不必要な保護を解除したい場合には、専用のソフトウェアが大いに役立ちます。今回は、ユーザー評判がいいAdobe Acrobat Pro、PDFelement、Smallpdf、iLovePDFの4つを詳しく解説します。
【有料】信頼性重視のPDFパスワード解除ソフト①：Adobe Acrobat Pro DC
Adobe公式の「Acrobat Pro DC」は、Adobe Acrobat Pro は PDF ファイルの作成と編集の業界標準として知られており、パスワード解除機能も高い完成度を誇ります。「ドキュメントの保護解除」機能を使用すると、閲覧パスワード（ユーザーパスワード）や編集制限パスワード（オーナーパスワード）を解除できます。
PDFパスワード解除の操作手順：
1．Adobe Acrobat Pro を起動し、パスワードで保護された PDF ファイルを開きます。
2．閲覧パスワードが設定されている場合は、パスワードを入力してファイルを開きます。
3．メニューバーの「ファイル」→「プロパティ」を選択します。
4．「セキュリティ」タブをクリックし、「セキュリティ方法」のプルダウンメニューから「なし」を選択します。
5．オーナーパスワードが設定されている場合は、ここでパスワードを入力します。
6．「OK」をクリックし、ファイルを上書き保存するか、新しい名前で保存します。
メリット:
・高い互換性を持ち、ほとんどの PDF ファイルに対応しています。
・解除後のファイル品質が安定しており、フォーマットが崩れる心配が少ないです。
・他の PDF 編集機能との連携がスムーズで、解除後にすぐに各種編集作業を行うことができます。:
デメリット:
・有料ソフトウェアであり、価格が比較的高いです。
・初心者には操作に慣れが必要な場合もあります。
※7日間の無料体験版でも利用可能です。
【有料】高機能のPDFパスワード解除ソフト②：PDFelement
PDFelement は、Adobe Acrobat Pro に匹敵する高機能を持ちながらも価格が手頃なソフトウェアです。パスワード解除機能では、閲覧パスワードと編集制限パスワードの両方を解除可能で、直感的な操作界面が特徴です。
PDFパスワード解除の操作手順：
1．PDFelementを起動し、「PDF を開く」で対象のファイルを選択します。
2．閲覧パスワードが設定されている場合は、パスワードを入力して開きます。
3．上部メニューの「保護」→「パスワードを解除」をクリックします。
4．オーナーパスワードが設定されている場合は、パスワードを入力します。
5．「OK」をクリックすると、パスワードが解除されます。解除後は「名前を付けて保存」でファイルを保存します。
メリット:
・価格が Adobe Acrobat Pro よりも手頃で、コスパが良いです。
・操作界面がシンプルで直感的であり、初心者でも容易に使いこなすことができます。
・Windows と Mac の両方に対応しています。
・OCR 機能が搭載されており、スキャンした PDF のパスワード解除後にテキストを編集することも可能です。
デメリット:
・一部の特殊な暗号化方式に対応していない場合があります。
・高負荷の処理を行うと、時折動作が重くなることがあります。
【無料】手軽さ重視のPDFパスワード解除オンラインツール③：Smallpdf
SmallpdfはクラウドベースのPDFツールサービスで、ブラウザから直接パスワード解除を行うことができます。オンラインで簡単に操作できるため、ソフトウェアのインストールが不要です。ただし、無料版では1日に処理できるファイル数に制限があります。
PDFのロック解除の操作手順：
1．Smallpdf の公式ウェブサイトにアクセスし、「Unlock PDF」を選択します。
2．「ファイルを選択」またはドラッグアンドドロップで対象の PDF ファイルをアップロードします。
3．閲覧パスワードが設定されている場合は、パスワードを入力します。
4．「Unlock PDF」ボタンをクリックし、処理が完了するまで待ちます。
5．処理が完了したら、「ダウンロード」ボタンをクリックして解除後のファイルを保存します。
メリット:
・オンラインで使用できるため、コンピューターへのインストールが不要です。
・操作が非常に簡単で、誰でも短時間で上手に使うことができます。
・スマホやタブレットからもアクセス可能で、場所を選ばずに使用できます。
デメリット:
・無料版では1日に2つのファイルしか処理できません。多くのファイルを処理するには有料プランの契約が必要です。
・ファイルのアップロードとダウンロードにインターネット接続が必要で、通信環境が悪いと不便です。
・機密性の高いファイルを処理する場合、クラウド経由のためセキュリティ面で不安を感じる人もいます。
※重要書類の解除には、オフライン型の方法を推奨します。
【無料】無料で使い勝手のPDFパスワード解除オンラインツール④：iLovePDF
iLovePDF は、パスワード解除だけでなく、結合、分割、変換など多くの PDF 処理機能を備えたオンラインサービスです。パスワード解除機能は無料で使用できますが、一部の高度な機能は有料会員に限定されています。
PDFのロック解除の操作手順：
1．ILovePDF の公式ウェブサイトにアクセスし、「Unlock PDF」を選択します。
2．「ファイルを選択」またはドラッグアンドドロップで PDF ファイルをアップロードします。
3．必要に応じてパスワードを入力し、「Unlock PDF」をクリックします。
4．処理が完了すると、「ダウンロード統合ファイル」ボタンが表示されるので、クリックしてファイルを保存します。
メリット:
・無料で基本的なパスワード解除機能を使用することができます。
・多くの PDF 関連機能が一つのサイトで提供されており、使い勝手が良いです。
・複数のファイルを一度に処理することが可能です。
デメリット:
・無料版ではファイルサイズに制限があります（通常 200MB まで）。
・一部の高度な機能は有料会員にしか使用できません。
・オンラインサービスのため、インターネット接続が必須です。
パスワードを解除できないPDFの対処法
強力な256ビットAES暗号化が施されているPDFは、パスワードを知らない限り解除が不可能な場合があります。
その場合の対処方法は以下です：
・PDFの作成者または送信者に直接問い合わせる
・正規の閲覧環境で必要な情報だけスクリーンショットで保存
・OCR（文字認識）で内容を再取得（最終手段）
・強制的な解除は法律違反になる可能性があるため厳禁です。
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PDFパスワード解除に関する注意点
セキュリティ面の注意
・オンラインツールにアップロードする際は、機密情報・個人情報が含まれないか確認しましょう。
・信頼性の低いサイトや、広告だらけのサイトは避けるべきです。
法的リスク
・他人の著作物や、許可されていない資料の解除は「不正アクセス禁止法」に抵触します。
・業務利用であっても、必ず所属組織の情報セキュリティポリシーに従いましょう。
よくある質問（FAQ）
Q1：パスワードを忘れたPDFは自分でも解除できますか？
→ 自分で作成したファイルなら、ほとんどの方法で解除可能です。強力な暗号化がある場合はAdobe Acrobatなどの解析ツールが必要になることもあります。
Q2：PDFをパスワード解除した後、再度パスワードをかけることはできますか？
→ 可能です。Adobe AcrobatやPDFelementなどのツールで再設定できます。
Q3：PDFのパスワード解除は違法ですか？
→ 自分のファイルや、解除が許可されたファイルであれば合法です。ただし、他人のファイルを無断で解除する行為は違法になる可能性があります。
Q4：完全無料で安全に解除できる方法はありますか？
→ オフラインの無料ソフト（例：Smallpdf、iLovePDF）がおすすめです。ただし、操作には多少の知識が必要です。
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まとめ
PDFのパスワード解除は「正当性」と「安全性」が鍵！
PDFのパスワード解除は、目的と正当性、そして使うツールの安全性を見極めることが重要です。単に「開けないから解除したい」という理由だけではなく、必ず「そのファイルを解除して良い立場にあるか」を確認してください。
上記の4つのソフトウェア各々に特徴があり、用途に応じて使い分けるのが良いでしょう。業務で頻繁にPDFを扱う場合は、高い信頼性と機能を持つAdobe Acrobat ProやPDFelement が推奨されます。一方、たまにパスワードを解除するだけで、ソフトウェアのインストールを嫌う場合は、SmallpdfやiLovePDFなどのオンラインサービスが便利です。自身のニーズと使用頻度を考慮して、最適なツールを選択してみてください。
